「知的障がい」者を普通科高校に進学させる意味は?高校は義務教育でもない。むしろ「親権の濫用」と判断すべきと考えます。憲法26条「~その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」

れいわ新選組が消費増税反対などを公約にしたことは評価できるとして、気になる報道が入ってきました。

障がい理由に高校不合格の少年の訴え れいわの国会議員、国会で取り上げ約束 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス

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国会からインクルーシブ教育の道を開いてほしい―。定員に空きがあるものの、重度の知的障がいがあり沖縄の県立高校を2度不合格になった仲村伊織さん(16)=北中城=の父晃さん(53)と母美和さん(51)が19日、国会内で、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患う舩後靖彦参院議員(れいわ新選組)と面会し、等しく教育を受けられるよう直訴した。2人の思いを受け止めた舩後さんは、国会で取り上げることを約束した

まず国家が保証している権利は「能力に応じて教育を受ける権利」です

第3条 (教育の機会均等) :文部科学省

www.mext.go.jp第3条 (教育の機会均等) すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならないものであって、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。
2 国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない

(関係法令)
憲法
 第26条第1項 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する

 したがって中学3年間で履修する科目(数学など)の内容を理解していない生徒を、難易度の高い高校に進学させることは違法(および違憲)です。

 また、非常に偏差値が高い中学3年生を、底辺校に進学させることも違法(および違憲)です。

 そこで問題となるのがすでに小学6年間(または中学3年間)の履修内容を理解しているにも足踏みさせられていて飛び級する権利を否定されている生徒は「能力に応じて教育を受ける権利」をきちんと保障されているのかという点です

 今回、「知的障がい」者の保護者と名乗る人物が、普通科高校に進学させろと主張するのは、教育を受ける本人の意思を十分に確認しているのかという点で親権の乱用(濫用)の可能性があると思います。

児童虐待から子どもを守るための 民法の「親権制限制度」 | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン

近年、その親権を濫用し、子どもに暴力を振るったり、子どもを放置したりするといった児童虐待が増えています。児童虐待から子どもを守るための方法の一つとして、民法には、「親権制限制度」、「未成年後見制度」があります。両制度については、児童虐待対策の実効性を高めるために、平成23年に見直しが行われ、平成24年4月1日に施行されました(平成23年法律第61号による改正。以下、「平成23年改正」といいます。)

ちなみに「知的障がい」者である児童に対しては、専門の教員・職員が常駐する公立学校があります。そういった学校に進学させないことが、「能力に応じた教育」を受ける権利を親権者が剥奪(または侵害)していることになります。

やはり予防策としては、小学6年の卒業時に、学力テストを課し、小学校6年生までの内容を理解しているか否かを判断して、公立中学に進学させるか否かの資格(つまり適性)を判断する制度が必要であると思います。

そうしないと、授業を妨害することを唯一の目的として公立中学校に通学する者も阻止できないわけですし、授業自体が成立しないだろうと思います。

(関連条文)
民法第820条 親権を行う者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。
児童の権利に関する条約第18条第1項 (前略)父母又は場合により法定保護者は、児童の養育及び発達についての第一義的な責任を有する。(後略)

上記条文から考えても、「知的障がい」者を普通科高校に進学させようとする親権者(いはゆる保護者)の行為は、一種の「虐待(ぎゃくたい)」と解するのであれば、親権の制限なども必要であると思います。

 

もし親権者の本音が「(障がい児である自身の子を)家で面倒みたくない」ということであれば、冷たい親であるように感じます。

 

再掲:

教育基本法 第3条 (教育の機会均等) すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならない

憲法 第26条第1項 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する

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