愛書連 宮崎正弘講演会 に参加

 宮崎正弘氏がメールマガジン(読者は1万人とか!)で、事前告知したこともあって、会場の参加者は、90名を超える。
 予定時刻6時30分ちょうどに開始。

 宮崎正弘氏が初めて中国に行ったときは、まだ直接には中国に行けず、香港を経由して中国に行った人のこと。
 すると、現地の中国人たちから「刺すような目線」で見られたとのこと。「物質に対するあこがれが強い」ということだった。
 しかし、今の中国では、経済も成長し、ルイビトンなどもよく売れている人のこと。しかし、中国人はルイビトンを日本で買う人のこと。なぜなら、「日本の場合は百貨店では偽物は売っていないでしょう?」と中国人は返答したとのことだ。(つまり中国では、百貨店でも偽物を売っているとか)

 現在の中国は共産主義はやめて、目標がない。拝金主義になっているが、拝金主義はドグマとなりえない。
 (この点、なるほど!と思った)

 中国の場合はジニ係数が0・47。つまり、1%の富裕層が47%の富を独占している。(ちなみにアメリカは、0.23)
 
 不動産取引に関しては、借地権が50年から75年にのびた。上記の富裕層は地方政府の幹部である。土地の許認可の権利が大きい。わずかな金(日本円にすると8万円くらい)で土地を収容して、デベロッパーからワイロをもらう。産業に関する許認可権も大きい。
 「上海グループ」は、保険に関する許認可権を持っていた。自分の権力を守るために、兵隊を養わなければならない。(この場合の兵隊とは、軍隊という意味か?それとも、子分という意味か?)
 ちなみに、江沢民のガードマンは、陸軍大将に昇進したとのこと。
 2008年8月8日の北京オリンピックには、胡錦涛と並んで、引退したはずの江沢民が居た。現在も隠然たる力を以ている。

 (ここらへんで、都議・吉田康一郎氏が参加)

 池袋だけで、中国語の新聞が12種類でている。そして法律事務所がたくさんできている。24時間保育園も出来ている。池袋に中華街ができつつある。
 米国は300万人、ロシアに500万人、中国人がいる。
 中国人はロシアを経由してウクライナに行き、EU圏内に入ってしまう。そうすればEUのなかは移動が自由である。
 そのような現状から、移民反対という観点から「右派」が台頭している。日本の反中感情なんて、少ない方。そして、ヨーロッパの次はアフリカに中国人が押し寄せている。
 中国人は、一部日本の企業を買っていると言われる。しかし、実際多くの中国人は日本企業の買収に関心がない。
 その背景は、日本のような税金が高い国(つまり法人税が高い国のという意味だと思う)で、商売したくない。
 通常、中国人は3重帳簿で、銀行に見せる用の帳簿が存在するということだ。
 日本のような、二重帳簿で逮捕されるような国で、商売はしたくない。

 中国人は自由になった。つまり発想の自由を得ることが出来た。(中国で人気を博している)渡辺淳一は、恋愛における「心のひだひだ」をかいている。中国文学にはそういった心理描写が無かった。それゆえ中国で人気を博している。
 また、自由になったという点で、武装警察の鎮圧も携帯で撮影して世界へ配信されるようになった。(発信する自由がネット社会により到来した)いままでのように情報統制できなくなった。

 (ホンダやトヨタの工場のデモに関連して)
 台湾企業だが、富士康(FOXCONN)の工場が42万人の中国人を雇用している。従業員が自殺したときに、保証金を出した。すると保証金目当ての自殺が相次いだ。賃金を2倍に上げたとのこと。
 こういった人件費の変化で、中国に進出メリットがなくなってきた。現に、中国企業自体が、バングラデッシュなど低賃金の国に工場を建設して、5万社くらいが、100万人を雇用している。
 女性の雇用→晩婚化→少子化という現象が起きるだろうと、宮崎正弘さんは見ているとのこと。
 こうやって工場移転が進めば、アジア全体の人口動態も変化するだろう。

 中国は、景気対策で、公共投資している→不動産ローンの頭金の金額を低く抑える。その結果、不動産は高騰している。
 日本の場合も、財政出動をするべきだ。


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以上、このような内容。
終わってからは、居酒屋で、宮崎さんを囲んで10名ほどで歓談。
とても有意義なお話が聞けた講演でした。

参考:宮崎正弘 http://miyazaki.xii.jp/