TPPと農業

 世の中にはTPPに「賛成」の人と「反対」の人がいる。
 賛成のひとは、日本の農業は生き残れるといい
 反対のひとは、日本の農業は生き残れないという。
 私は反対の人である。

 さて、米(ジャポニカ米)が10kg800円で米国で販売されている
 日本では主に東北・北陸の米が5kg2500円で販売されている。
 つまり、1kgあたり約6倍の値段で販売されているわけで、外食産業などはそっちを使うだろう。
 二十年前は品質の差もあっただろうが、現在はほとんど味も食感も似ている。
もちろん日本への輸出を見越して品種改良してきたのだろう。

 TPP賛成の人は「日本の米は品質がいいから、カリフォルニア米を打ち負かせる」という。しかし、上記のような現実を無視している。
 失業者が増えて、福祉を受ける人間が増え(福祉受給者は月8万円の支給で生活をするそうだ)、100円単位いや1円単位の節約が求められる生活をしている日本人が増えている現状では、1円でも安い商品が売れるのは当然だろう。
 いわゆるブランド米を売ればいいというが、5kgで400円(カリフォルニア米)と2500円(国産米)の価格差を見れば、廉価な輸入米が売れるのは当然だろう。

 現在700%の関税をかけてコメの輸入を阻止している。

 私も現状を知らなかったが、日本の農家の多くは、農業従事者の平均年齢は65歳のことで後継者不足に悩んでいるとのこと。
 後継者がいない背景には「農業収入だけでは生活できない」という背景がある。つまり日本では農業は儲からないのだ。
 TPP「賛成」派は「日本の農家は補助金漬けで優遇されている」というが、現実にはサラリーマン以下の生活を余儀なくされているということになる。

 さて、TPPで関税が撤廃されたら?日本のコメは守れるか?

 コメの単価が下がるということは、ますます「農業が儲からない」という現象が加速することになり、後継者不足に悩むことになるだろう。
 一部の農村で生じているような外国人移民の流入が発生する将来が目に見えている。