スターホテルが賃料未払いで民事調停

 震災後に起こった福島の原子力発電所事故がきっかけで、外国人観光客が激減した。4月の外国人観光客の数は、前年同月に比較して62・5%減の29万5800人。
 単月で30万人を下回ったのは、新型肺炎SARSが流行した2003年5月以来、8年ぶりである。
 地域別では、アジアでは、中国が49・5%減の7万6200人、韓国が66・4%減の6万3700人、台湾が67・4%減の3万5800人、香港が87・6%減の5800人。 と、軒並み減少した。
 これを受けて、ホテルの宿泊利用率は軒並み5割を割る厳しい状況が続いている。
 日光の老舗ホテル「伴久ホテル」が負債30億円を抱えて倒産するなど、震災2ヶ月で倒産したホテル・旅館の件数は13件に達した。原発事故の解決までに半年かかると報道されている中で、体力のない中堅ホテルは生き残りに四苦八苦している。

 西新宿7丁目にある「スターホテル東京」は震災後、アジア観光客が急減。それまで9割を超えていた宿泊利用率が5割を大きく下回ることとなった。
 その結果、売上が大きく減少し、建物所有者の日本ホテルファンド投資法人に対し、4月5月分の賃料の一部未払が発生していた。
 日本ホテルファンド投資法人は、信託受益者の中央三井信託銀行を通じて、5月11日に賃料の支払を求める民事調停を申し立てた。
 日本ホテルファンド投資法人は、中央三井信託銀行が運用する投資会社。2006年6月に、スターホテルの土地建物を72億4300万円で取得した。
 スターホテル東京日本ホテルファンド投資法人に支払っていた月額賃料は当初は3534万3000円だったが、昨年6月以降、3334万3000円に減額されている。
 賃借契約は今年6月末で切れる。しかし、賃料の未払いによって、契約期間終了後の更新については、まだ合意はされていない。今後の経過によってはスターホテル東京は閉館に追い込まれる可能性も出ている。